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ロシア

セキュリティが国家間の問題に?ロシアゲートの詳細


アメリカでは、大統領選にロシアが関与した疑惑が問題になっていました。
国内の選挙を他国に操作されていたとすると、国家を揺るがす大変な問題です。
この件の影響でFacebook削除運動が行われたり、政府機関からロシア製のセキュリティソフトが排除されるなど大きな影響がありました。

しかし2018年4月28日に、トランプ陣営がロシアと共謀した証拠はないとして下院情報特別委員会の調査が終了しました。
今回はこの件について説明します。

ロシアが米大統領選でトランプを支援していた疑惑

2016年の米大統領選において、ロシアがトランプ氏の当選をバックアップしていた疑惑があり、2016年から調査が行われていました。
具体的には、ロシアがサイバー攻撃やSNSを利用したプロパガンダを行い、トランプ陣営が当選するように工作を行ったのではないか、という疑惑です。
(ここはあまり突っ込むと陰謀論のような話になってくるのですが、アメリカとロシアは、結構このようなことをお互いに行っています)

この疑惑は、1972年に発生した政治スキャンダルのウォーターゲート事件になぞらえて、ロシアゲート事件と呼ばれるようになりました。
ウォーターゲート事件は盗聴や司法妨害、証拠隠滅や事件報道など様々なスキャンダルの末、リチャード・ニクソン大統領が辞任するに至った事件です。
ロシアゲート事件は大統領が事件捜査の妨害を行った疑惑があったため、似た事件のウォーターゲートになぞらえたようです。

ロシアゲートにおけるロシア政府の関与ははっきりしませんが、実際ロシア人が米大統領選でプロパガンダを行った証拠は発見されています。
2018年2月に、ロシア人13人と、ロシア企業3社が正式に米司法省から起訴されました。

悪質なSNSでのプロパガンダ

SNSを使ったプロパガンダは、特にFacebook向けの選挙広告が問題になりました。
ロシア人13人は、アプリ開発者から流出したFacebookの個人情報を元に広告を出し、時には嘘を交えた広告を出稿しました。

例えば、移民に対してネガティブな意識を持っている人がいたとします。
その人にトランプ氏が移民に対して過激な意見を言っている投稿を表示すると、シェアしたり、いいねしたりする確率が高いでしょう。
そうすると効果的にシェアやいいねが増え、どんどん拡散されていきます。

他にも人種差別に敏感な人に対して、○○候補者がこんな差別発言をしていた、というような記事を見せると、やはり拡散しやすいです。
その内容がセンセーショナルなほど拡散するので、嘘のニュースも大量に製作されました。

今のところ、このプロパガンダにロシア政府が関与した証拠は出ていませんが、可能性が無い訳ではありません。
日本の選挙も、もしかしたら外国の関与があるかもしれません
セキュリティは、個人の話から国家間の話まで幅広く影響が出るものなのです。