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カスペルスキー社、米国土安全保障省やTwitterから排除される


2018年4月20日、Twitter社はカスペルスキー社の広告掲載を禁止すると発表しました。
行政機関での「カスペルスキー社製品使用禁止という米国土安全保障省(DHS)の命令を受けて、Twitter社が対応した形です。

社名と同名のソフト、カスペルスキーは、傘のロゴでおなじみの有名なロシア製セキュリティソフトです。
日本でもシェアの多いソフトなので、話題になって不安に感じた方もいるでしょう。
先に結論から言うと、カスペルスキーへのセキュリティ上の疑念は明確な証拠が見つかっていません。
気になるようなら他のセキュリティソフトに乗り換えて、気にならないならそのままカスペルスキーを使用して大丈夫です。

しかし外交官や企業の要人は「念のために」カスペルスキー以外のセキュリティソフトを利用した方が安心です。
証拠がないとはいえ、一国の行政機関で禁止令が出るほどの事態になっています。
普通の人ならともかく、国際情勢に影響が出るような情報を扱う人は避けたほうが無難です。
無料のセキュリティソフトでも品質の高いものは多いですので、他のソフトを探しましょう。

米国土安全保障省がカスペルスキーを締め出した理由

米国時間2017年の9月18日、アメリカの国土安全保障省が、カスペルスキー社の製品を行政機関で使用禁止にしました。
カスペルスキーはウイルスと疑わしいファイルを本国のロシアに送っており、結果としてアメリカの機密情報をロシアに送ってしまっていたとして問題視されています。

これは先日ブログで書いた、フェイスブックの個人情報を使って米大統領選で広告を出した話にも関わってきています。
米大統領選の個人情報を使用した広告には、ロシア政府が関わっているという話がまことしやかに囁かれています。(この件は、後々改めて取り上げます)
しかし米国の動きには怪しいところが見受けられます。
例えば下院公聴会(議会の説明会のようなもの)ではカスペルスキー社CEOのユージン・カスペルスキー氏への証言要請が、突然取り消されました。
また公聴会には専門家も出席していましたが、専門的な見解ではなく、一般的な情報しか説明していません。

疑惑を裏付けるように、カスペルスキーはアメリカ以外では相変わらず評価が高いままです。
例えばドイツの情報セキュリティ庁(BSI)は、カスペルスキー社はロシアに機密情報を送った証拠はない、と結論付け、ソフトウェアの契約を更新しています。
また国際刑事警察機構やブラジル軍もカスペルスキーを利用しており、顧客満足度の賞も受賞しています。

昨今のアメリカは、ロシアやロシア関係の企業に過剰にピリピリしているようです。
カスペルスキー社はTwitterへの広告を完全に引き上げ、広告予算をそのまま電子フロンティア財団(EFF)に寄付する予定だと宣言しています。
電子フロンティア財団は、アメリカ政府のネット検閲から言論の自由を守る組織です。
言論の自由が奪われていると言いたいのだと思われます。

アメリカの正確な情勢はわかりませんが、情報が揃った上で理性的な解決がなされるといいですね。